VMに適切な重複排除バックアップストレージの条件
堅い話が続いて大変すみません!
現在ではバックアップする対象はデータだけではなく、VM(仮想マシン)そのものが対象になることが多くなっています。
VMでシステムを構築している場合には、その環境を重複排除ストレージにバックアップすると重複排除率が高く効果的ということは良く知られています。そのため、バックアップ先のストレージとして、ターゲット型重複排除ストレージが多くの場で使われています。
通常、バックアップしてあるVMを復旧するには
- 故障したプライマリーストレージを復旧
- 重複排除バックアップストレージからプライマリーストレージからリストア
という作業となります。
上記の1および、特に2ですが、他のトピックで説明しましたようにインライン重複排除バックアップからのリストア処理には時間がかかります。リストアが遅いとそれだけ業務停止時間が長くなりビジネスへの影響が大きくなります。
ところで、バックアップアプリケーションによっては、バックアップイメージファイルからリストアなどの作業を行わずに、バックアップしたストレージからVMを起動できる機能を持っています。『バックアップストレージから直接VMを起動できる』(即時的なVMリカバリー)機能があれば、上記の1と2の作業完了を待たなくとも(暫定的なVMとして)業務を数分で再開でき業務の停止時間を最小限に抑えられます。とても有効な機能です。
しかし、アプリケーション側にそのような機能があっても、インライン重複排除バックアップ装置からVMを起動するときには、重複排除されたVMの状態からRehydrate(再水和、再構成)してもとのVMイメージに戻すのに長時間(数時間)かかってしまいますので、せっかくのバックアップアプリの即時的なVMリカバリー機能が全く生かせないことになります。
VMのバックアップに重複排除バックアップ装置は大変に効果があることは確かです。さらにリストアが短時間に済めば、もっと効果的です。バックアップの策定には必ずリストアを含めて考えると良いですね。
参考サイト:
- 重複排除バックアップの高速リストアについて(ExaGrid)
- バックアップアプリのVM即時起動について(Veeam Instant VM Recovery)
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